3:図書館と博物館の違い
現在私は博物館関連の授業を取っており、学芸員資格を取ろうと考えています。
私が所属している学科では司書の資格も取れるので友人が図書の話をしてくれることもあります。
二つとも保存し、私たちに情報を提供してくれる施設ですが、生まれや分類方法は違ってきます。
1.生まれ
図書館:古代エジプトでパピルスが誕生し、それに情報を書き入れたものをアレクサンドリアに集め、図書館となっていった。
博物館:前3Cに、アレキサンドリアにムセイオンが設置。ヨーロッパの貴族層がルネサンス期~バロック期(14C~17C前頃)に珍しいものを収集していたが、基本的には自分だけが見られる閉鎖的空間だった。当時はまだ図書館と分別がついていなかった。それが一般に公開されるようになったのがフランス革命以降。日本での博物館は明治維新以降。
生まれの年代はだいぶ差があることが分かる。思いのほか博物館は新しい施設だ。
2.分類
図書:日本十進分類法(Nippon Decimal Classification)に準拠
こんな感じで樹形図のようになっている。大きなくくりからどんどん詳しくなっていく。知りたいことを探しに図書館に行ったら、第一次区分表さえわかればなんとなくどこに何があるのか分かる。
図書館は全国的に広く存在する。(学校に併設されている図書室・市民図書館・子ども図書館)
全く同じ本があるわけではないし、その場所特有の本も存在するが、ほぼ同等の情報が得られる環境が普遍的に存在する。大抵その本には価値があったり表彰の機会があるので、価値があるものが収蔵される。
博物館:博物館の分類は「何を収集しているか(美術・動植物など)」「作品の分類(本物と模造品・付属資料など)」「何をテーマとするか」など多く存在する。
「何を収集するか」
そのほか:大学博物館・企業博物館・野外博物館
また、ここから「近代博物館」「現代博物館」など、さらに細かく分かれていく。
実物は1つしかないので、本物を見に行くにはそこへ行く必要がある。それは近くにあるかもしれないし、海外にあるかもしれない。
博物館は実物であることが重要であるので、あらゆることをまとめる必要がある。情報目録には「作品名・制作年・形態・技法・素材・サイズ・収蔵番号・受け入れ情報」などが存在する。何を目録として整理するかは収蔵品によって異なる。
展示する場合、地域別、表現別などで分けるが、恣意性が入り込むことが多い。
国際ドキュメンテーション委員会による「情報グループ」と「情報カテゴリー」というわけ整理方法があるが、22の情報グループと74の情報カテゴリーが存在し、とてもじゃないけど面倒。どこまで重要な情報をして取捨選択を行うか、もしくは行わないべきかを考える必要がある。
CIDOC Guidelines: The Information Groups and Categories
この情報群は展示に使われるだけではなく図録制作・保存や修復における参考・見た目にも使用される。何を軸にして並べるかが重要視される。
学芸員が価値があると思っているものが並んでいる。博物館に並ぶものが一般的に価値があるものとされる。
3.その他の分けられるもの
外と中:湿温度管理・有害図書・害虫
価値:希少価値、使用価値、美的価値、交換価値、宗教価値、顕示的価値、「価値があるから集める」、「集めるから価値がある」
資料の種類:一次資料、二次資料
同定する:資料に学問上の名前を与える
分類する:コレクションの中での資料の位置づけを決める。恣意性が入り込む。
図書館よりも博物館のほうが分けるパターンが多くてかつ多くの解釈に影響するので難しいと思いました。しかし逆に考えれば多くの分けるパターンがあることは人によってどう考えているか、どういう環境に生きてきたかを知ることができる手段になりうると思います。
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そのまま書くよりmarkdownのほうが間が空きすぎず、好きなのでページ作り直しました。